法律ができるまで

2024年4月30日

はじめに

 現在、第213回国会(令和6年常会)において、提出法律案が審議されていますが、「法律」がどのような流れで成立・公布されるかについて、気になっている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
 本コラムにおいては、「法律ができるまで」と題して、「法律案の作成」から「法律の成立・公布」の流れを簡単に俯瞰してみたいと思います。

 「法律」の成立・公布までの流れは、以下のとおりです。

「① 法律案の原案作成」→「② 内閣法制局における審査」→「③ 国会提出のための閣議決定」→「④ 国会における審議」→「⑤ 法律の成立」→「⑥ 法律の公布」

 詳しく見ていきましょう。

法律案の原稿作成

 内閣が提出する法律案の原案の作成は、所管する各省庁が行います。
 各省庁は所管行政の遂行上決定された施策目標を実現するため、新たな法律の制定又は既存の法律の改正若しくは廃止の方針が決定後、第一次案を作成します。
 この第一次案を基に関係する省庁との意見調整等が行われ、議会に対する諮問又は公聴会における意見聴取等を必要な場合は、これらの手続を済ませます。
 最終的に、法律案提出の見通しがついた段階で、当該主管省庁は、法文化の作業を行い、法律案の原案を作成します。

内閣法制局における審査

 内閣が提出する法律案については、閣議に付される前に全て内閣法制局が審査を行います。内閣法制局における審査は、予備審査の形で進める方法が採用されています。予備審査が終了すると主任の国務大臣から内閣総理大臣に対し国会提出について閣議請議の手続を行うことになり、これを受け付けた内閣官房から内閣法制局に対し同請議案が送付されます。
 内閣法制局は、予備審査における審査の結果とも照らし合わせつつ、最終的な審査を行い、必要があれば修正のうえ、内閣官房に回付します。

国会提出のための閣議決定

 内閣が提出する法律案については、閣議に付される前に全て内閣法制局が審査を行います。
なお、内閣提出法律案の国会提出に係る事務は、内閣官房が行っています。

国会における審議

 内閣提出の法律案が衆議院又は参議院に提出されると、原則として、その法律案の提出を受けた議院の議長は、これを適当な委員会に付託します。

委員会における審議は、

  1. 国務大臣の法律案の提案理由説明から始まり、審査に入ります。
  2. 審査は、主として法律案に対する質疑応答の形式で進められ、委員会における質疑、討論が終局したときは、委員長が、問題を宣告して、表決に付します。
  3. 委員会における法律案の審議が終了すれば、その審議は、本会議に移行します。
  4. 内閣提出の法律案が、衆議院又は参議院のいずれか先に提出された議院において、委員会及び本会議の表決の手続を経て可決されると、その法律案は、他の議院に送付されます。
  5. ​送付を受けた議院においても、委員会及び本会議の審議、表決の手続が行われます。

法律の成立

 法律案は、憲法に特別の定めのある場合を除き、衆議院及び参議院の両議院で可決したとき法律となります。法律が成立したときは、後議院の議長から内閣を経由して奏上されます。

法律の公布

 法律は、法律の成立後、後議院の議長から内閣を経由して奏上された日から30日以内に公布されなければなりません。法律の公布に当たっては、公布のための閣議決定を経た上、官報に掲載されることによって行われます。

 「公布」は、成立した法律を一般に周知させる目的で、国民が知ることのできる状態に置くことをいい、法律が現実に発効し、作用するためには、それが公布されることが必要です。

 なお、法律の効力が一般的、現実的に発動し、作用することになることを「施行」といい、公布された法律がいつから施行されるかについては、通常、その法律の附則で定められています。 

 法律の公布に当たっては、その法律に法律番号が付けられ、主任の国務大臣の署名及び内閣総理大臣の連署がされます。

 このような流れで、法律は成立・公布されることになります。

終わりに

 今国会(第213回)においても、「雇用保険法等の一部を改正する法律案(令和6年2月9日提出)」、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律及び次世代育成支援対策推進法の一部を改正する法律案(令和6年3月12日提出)」が提出されています。

今国会における「法律」成立も見込まれるところですので、今後の動向に注視しましょう。

 

【参考】

① 内閣法制局
法律ができるまで
https://www.clb.go.jp/recent-laws/process/#anchor-1

② 第213回国会(令和6年常会)提出法律案≪厚生労働省≫
https://www.mhlw.go.jp/stf/topics/bukyoku/soumu/houritu/213.html

※本コラムは、一般的な情報提供を目的としたものです。法令や行政の指針は執筆時のものであり、改正されることがあります。また個別の事案によって適切な対応は異なります。

執筆者:特定社会保険労務士 澤田 真

お問合せはこちら

お電話でのお問合せはこちら

03-5159-2522

メールでのお問合せは24時間受け付けております。お気軽にご連絡ください。

アクセス

03-5159-2522
住所

〒101-0041
東京都千代田区神田須田町1-16
RAXA神田須田町402

営業時間

9:00〜18:00
メールでのお問合せは24時間受け付けております。

休業日

土曜日・日曜日・祝日
詳しくはお電話ください。
お気軽にご連絡ください。