「パートタイム・有期雇用労働法の施行状況」について

2024年8月30日

はじめに

 厚生労働省は、「令和5年度の都道府県労働局雇用環境・均等部(室)における雇用均等関係法令の施行状況について」を公表しました。その中で、「パートタイム・有期雇用労働法に関する令和5年度の是正状況」についても取りまとめています。

相談の状況

  1. 相談件数は 6,781 件
  2. 相談内容別にみると、均等・均衡待遇に関する相談(「第8条関係(不合理な待遇の禁止)」、「第9条関係(差別的取扱いの禁止)」、「第10条関係(賃金の均衡待遇)」、「第11条関係 (教育訓練)」、「第12条関係(福利厚生施設)」)が 4,136 件(61.0%)で最も多く、次いで、体制整備に関する相談(「第6条関係(労働条件の文書交付等)」、「第7条関係(就業規 則の作成手続)」、「第14条関係(事業主が講ずる措置の内容等の説明)」、「第16条関係(相談のための体制整備)」、「第17条関係(短時間・有期雇用管理者の選任)」)が 1,031 件 (15.2%)となっている

是正状況

  1. 11,173 企業を対象に雇用管理の実態把握を行い、このうち何らかのパートタイム・有期雇用労働法違反が確認された企業 8,396 社(75.1%)に対し、20,515 件の是正指導を実施。
  2. 指導事項の内容は、「第6条第1項関係(労働条件の文書交付等)」が 4,751 件(23.2%)と最も多く、次いで「第14条第1項関係(措置の内容の説明)」が 3,059 件(14.9%)、「第17条(短時間・有期雇用管理者の選任)」が 2,607 件(12.7%)、「第8条関係(不合理な待遇の禁止)」が 2,596 件(12.7%)、「第13条関係(通常の労働者への転換)」が 2,463 件(12.0%)となっている。
  3. 是正指導を受けた企業のうち、9割以上が年度内に是正・改善している。
  4. このほか、短時間・有期雇用労働者の雇用管理の改善等のため、企業に対して第19条(事業主等に対する援助)に基づく助言を 10,160 件行った。

終わりに

 厚生労働省は、同一労働同一賃金の実現に向けて、昨年より、都道府県労働局による報告徴収の実施前に、労働基準監督署が非正規労働者の処遇について事実確認を行う仕組みを導入しており、その結果、さらに効率的な指導が行えることになったことが是正指導件数の増加につながったという背景があるようです。

 この機会に今一度、パートタイム・有期雇用労働法が遵守されているかについて、ご確認を頂いてもよいのかもしれません。

※本コラムは、一般的な情報提供を目的としたものです。法令や行政の指針は執筆時のものであり、改正されることがあります。また個別の事案によって適切な対応は異なります。

執筆者:特定社会保険労務士 澤田 真

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